【現場から】生育不良原因の特定のため、土壌調査等を行いました
2024.11.14 ブログ

 都下のマンションからのご依頼で、樹木が枯れる原因を特定するために土壌調査にうかがいました。事前に理事会の皆様からお話を伺い、現地を拝見し、土壌や日照状況が原因ではないかと推定してあります。今回はより詳しく調べるため、専用の道具を使った本格的な調査を実施しました。

  

 この記事では、詳しい調査の様子をご紹介します。

  

枯死したコニファー

  

◆ 最初に日当たりの調査。

 照度計と呼ばれる電子機器を使用して、日当たりの状況を調査。植物の生育に十分な明るさであるかを分析します。

照度計

  

◆ 次に土壌の調査。

 今回は、土壌を掘って断面を調査する方法と、検土杖という機器を使用した方法を実施しました。断面調査は地中の様子が細かくわかるのですが、穴を掘る必要があり時間やコストがかかります。一方、検土杖による方法は、採取可能なサンプルは小さいものの、効率よく多くの地点を調査することができます。これらを併用することで、高精度かつ効率的な調査となります。

【土壌断面調査】

まずは丁寧に穴を掘ります
土壌の断面を観察すると、根の分布や礫(小石やコンクリート片)の含有量、どの種類の土がどの深さに分布しているか、地中の様子が良く分かります。
腐った根が出てきました。こうした根は過湿環境で見られます。
土壌硬度計を用いてかたさを調べます。
土の成分を簡易的に調べています(指頭法)。土をひも状にこよると、粘土が多い場合は細い棒状にできます。砂が多いとぽろぽろと崩れてしまいます。

  

【検土杖調査】

先端に半筒のついた杖を、錘の重さを利用して地面に打ち付けていきます。
杖を引く抜くと、半筒の中には土のサンプルが採れています。このサンプルをよく観察します。

  

 この後、得られたデータを分析し、樹木の生育不良の原因を特定したうえで、効果的な改善案をご提案します。

  

 今回ご紹介したように、当協会では、経験に加えて科学的な手法を活用し、信頼性の高い調査を行っています。現地の環境やお客様のご予算に応じて、コストパフォーマンスの良い調査方法をご提案しますので、お悩みの植栽・樹林管理者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

  


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