
STAGE 編集部
人と緑・花をつなぐコーディネーター
地域緑花技術普及協会
キーワード #社叢 #鎮守の森 #樹林 #社寺林 #樹林管理 #植栽管理
「社叢を守る」シリーズでは、鎮守の森、社叢を守り続けるための情報を発信しています。
青々と茂る社叢は地域の歴史や文化と深く結びつき、長い年月にわたって代々守られてきました。しかし、神社関係者のお話をうかがうと、維持・管理に対して漠然とした不安を感じている方も少なくないようです。
そこでこの記事では、神社の林に精通した樹木医が、社叢の保全の意義と現代の社叢が抱える課題について詳しく解説します。
社叢が抱える課題
しかし近年、社叢の存続が危ぶまれるケースも増えています。具体的には、以下のような課題が保全と管理の上で大きな問題となっています。
【課題①】効果的な管理手法や適切な技術が不足して社叢が荒廃
植木屋さんが管理をしていても、恒例の管理を漫然と繰り返している場合も多く、必要な管理が行われずに、不要な管理が続けられている例も見られます。効果的な管理手法や適切な技術が実践されなければ社叢は荒廃は避けられません。
【課題②】社叢のビジョンがなく、維持管理が非効率
社叢の具体的な価値が忘れられ、将来的なビジョンがないまま場当たり的な管理や漫然とした管理が行われている例も見られます。このような管理は非効率で管理コストが高くつくばかりでなく、社叢の荒廃につながります。
【課題③】環境変化により樹木の枯死・衰退や倒木・落枝事故が増加
近年、強力な台風の発生や異常気象の影響により、倒木や落枝事故が増えています。また、気候変動や都市化の進行、外来昆虫の侵入などが原因となり、社叢の樹木が弱り、枯死するケースも増加しています。
【課題④】資金不足により維持管理が困難
今後、人口減少に伴い神社の収入減少が進むことが予想される一方、人件費は高騰しています。このため、毎年発生する管理費の負担が重くなり、維持が困難となる社叢も増える可能性があります。
このように、社叢の維持・管理には、多くの課題が存在します。しかし、適切な手法を取り入れ、長期的な視点を持つことで、次世代へと健全な社叢を継承することが可能です。
当協会では、樹木に関するさまざまなお悩みに対応し、社叢の保全と管理に関するコンサルティングサービスを提供しております。社叢の未来を守るために、ぜひお気軽にご相談ください。
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