【庭園探訪】清見寺庭園
2023.06.13 コラム
STAGE編集部

清見寺(せいけんじ)庭園(静岡市清水区興津) 2023年6月12日探訪。

国指定名勝(1936年指定)。

本堂の北側にある裏山の自然傾斜地を背景に作られた庭園で、東西に作られた池にはその東北側から落ちる九曲の滝の水が注ぐ。
本堂・書院からの鑑賞が主となりますが、庭園には多少の園路もあり、池には石橋がかかっています。
本堂・書院の前に敷かれた海砂利は、京都風庭園に用いられる白川砂が地方化したものと考えられています。
作庭は徳川家康の時代で、山本道斎のものと伝えられます。家康本人も作庭に携わったとか。

2022年9月の台風15号で裏山からの土砂が流れ込む被害を受けましたが、2023年3月に復旧工事が完了しました。

清見寺は奈良時代の創建と伝えられ、鎌倉時代には足利尊氏や今川義元の帰依を受け、江戸時代には徳川氏の庇護を受けて繁栄したといいます。
ちなみに、鎌倉幕府から追われる梶原景時が交戦した清見関の床板を天井板にしたと伝わる玄関の血天井、
今川氏の人質時代の徳川家康が清見寺で勉強していたという史実や、島崎藤村の「桜の実の熟する時」に登場する境内の五百羅漢の群像など、エピソードの豊富なお寺です。
本堂から見た庭園。
庭には海砂利が使われています。
探訪当日、池の水が白く濁っていましたのは復旧工事の影響によるものと思われます。
奥にかろうじて見えている滝。九曲の滝は見どころの一つなので、植栽を整理・管理し見えやすくしてほしいところです。
境内の五百羅漢の群像は、島崎藤村の「桜の実の熟する時」に登場します。
山門、本堂と庭園の借景となる裏山

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