【調査研究】緑が多い住環境は認知機能の低下を防ぐ
2022.06.13 ブログ


STAGE 編集部 人と緑・花をつなぐコーディネーター 地域緑花技術普及協会
#健康 #予防医学 #緑の生理・心理的効果
海外の研究で、住んでいる地域の緑の量と、女性の総合的な認知機能や精神運動機能などが相関関係にあることが示されました。 つまり、緑の多い地域に住んでいる女性の方が認知機能が高かったという結果です。 この研究は、アメリカのオープンアクセスの医学雑誌「JAMA Netork Open」に掲載されたもの。
”Residential Green Space and Cognitive Function in a Large Cohort of Middle-Aged Women(住宅地の緑地と中年女性の認知機能)”,Marcia P. Jimenez, Elise G. Elliott, Nicole V. DeVille, et al
JAMA Network Open. 2022, 5(4)
研究の対象者は約14000人の女性(うち98%は白人)で、平均年齢は61.2歳でした。 認知機能は認知機能テストの「Cogstate Brief Battery」で測定され、緑の多さは正規化植生指数(NDVI)で評価されました。
*正規化植生指数NDVI:Normalized Difference Vegetation Index。植物特有の光の反射率があることを利用して衛星データから植物の量などを把握するための指標。
認知機能の低下は、認知症やうつ病の症状で現れることが知られています。 この研究結果は、緑が多い住環境に認知症やうつ病にかかるリスクを低減する効果があることも示唆します。 この研究の著者は、「世界的な高齢化と認知症患者の増加は、新たな予防戦略を必要としています。認知機能を改善するためのアプローチとして、緑地との関わり方を研究する必要があります。」と述べています。
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