【樹木事故】公園の樹木の幹折れ 車道へ落下した幹が車両を直撃(群馬・前橋市)
2023.01.25 ブログ
STAGE 編集部

人と緑・花をつなぐコーディネーター
 地域緑花技術普及協会

1月24日、午後4時半頃に、群馬県前橋市の国道50号沿いの前橋市立新東橋公園のケヤキの幹が裂けて車道へ落下。
車両を直撃した。
直撃を受けた車両はフロント部分から天井にかけて大きく損壊。
後続車両も1台が巻き込まれる形で損壊した。

乗車していた方々には幸いケガはなかったとのことだが、片側2車線は樹木でふさがれ、撤去作業のため現場付近では交通渋滞が発生。

報道によれば、前橋市では当時、風速8mの風が吹いていたという。

【速報】倒木が直撃 車2台巻き込まれる 割れるフロントガラス 強風が原因か 群馬・前橋市
(FNNプライムオンライン2023年1月24日)

樹木の事故と点検に詳しい一般社団法人地域緑花技術普及協会の細野哲央氏(農学博士、樹木医)に事故の原因を聞いた。

(細野哲央氏)
倒木と報道されていますが、報道されている写真から高さ2mくらいの位置で幹の一部が折れて落  下した事案であることがわかります。
また、写真に写っている情報から、樹木のあった場所がかなり正確に推定できます。
公園に植栽されているケヤキで立派な大径木であることが分かります。

事故前の樹木を拡大してみると、多幹の幹に深い入り皮(幹や枝の樹皮が成長に伴い樹木内部に巻き込まれた状態)が入っていることを確認できました。

また、写真の1枚には、鮮明ではないですが、折れた基部のところにコフキタケ(サルノコシカケとも呼ばれる木材腐朽菌のキノコの一種)らしきものも見えます。

風速8mの風は、葉のある灌木が揺れ始める程度の強さですので、ケヤキが健全であれば幹が折れるようなことは通常あり得ません。

深い入り皮が入り、周辺の木部に腐朽が入っていたことが今回の事故の原因だったと思われます。

昨年末には、熊本市で起きた沿道樹木の倒伏事故で道路管理者の損害賠償責任が最高裁で認められたばかり。
道路管理者は沿道樹木の点検にも目を光らす必要があるだろう。

事故が発生した現場(2022年11月)。中央が幹折れしたケヤキと考えられる。
折れた幹には深い入り皮が確認できる。

細野哲央
細野哲央
 一般社団法人地域緑花技術普及協会 代表理事
 樹木医 博士(農学) 国立大学法人 千葉大学 客員研究員

 樹木のリスクマネジメント、樹木医倫理の分野で日本の第一人者として知られる。植栽や庭園の施工・維持管理技術、緑化樹木の生産・管理技術、緑の生理・心理的機能、樹木の成長特性などにも造詣が深い。

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